マリーナベイサンズを筆頭にシンガポールには、ある意味奇抜でデザイン性に優れた建築物がたくさんありますが、その中でも「ワールド アーキテクチャー フェスティバル2015」で「ワールド ビルディング オブ ザ イヤー」を受賞した「The Interlace」は、技術的に不可能なのではと思わせるほどスケールが大きいです。

普通、平凡といった言葉とは一切似通わないデザイン・構造ですが、ただ単に奇抜なだけでなく、この建物にはデザイナーであるドイツの建築家 Ole Scheeren 氏の「高層過密な集合住宅に健全なコミュニティを作り出す」という深いアイデア、コンセプトが込められています。

シンガポールでは地価高騰による住宅不足を解消すべく、限られた空間に巨大な建物を並べた集合住宅が多く建てられています。ただし、こうした集合住宅の中には、公共スペースが少なく、コミュニティが形成される余地がありませんでした。

こうした問題を解消すべく、「The Interlace」は、31個のブロック状の建物をハチの巣に似た独特のパターンで、8つの中庭を囲む形で構成しました。こうすることでいくつもの異なる形状の空間がブロックとブロックの間に存在し、プールやガーデン等の住人同士が触れ合う場所が出来上がりました。

優れたデザイン性と同時に合理的で高い機能性を持ち合わせた「The Interlace」は、現地でも人気でほぼ完売状態のようです。

【担当：I】

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