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【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選
在留者の人にとってはもちろんのこと、旅先のちょっとした怪我や痛みのトラブルで薬に頼らないといけないことがあると思います。日本から持って来た薬を使うのが安心かもしれませんが、そもそも持ち合わせていなかったり、症状によっては現地のものを使うのが一番手っ取り早いというのもよく聞く話。
在住者であれば、薬などではなく、どうしても病院で診てもらいたいときがあると思いますが、日本とは違う医療システムにいざそのような施設を使おうとすると戸惑ってしまう方も少なくありません。そこで今回は薬や医療をテーマとし、使う頻度の多い薬とポーランドの医療システムについて紹介します。

1.薬の買い方、注意点など

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・薬の買い方、注意点など

薬が買える場所

家庭薬として常備されるような薬は薬局(アプテカ|apteka)またはロスマン(Rossman)やへべ(hebe)などのコスメ&ドラッグストア(ドロゲリア|drogeria)で購入することができます。より専門的で薬剤師による適切な指示をあおぎたい場合は薬局へ行き、症状を伝えて処方してもらいましょう。症状の伝え方に関しては、最後の項目にある医療用語を参考にしてください。
また、クリニック(プシェホドニャ|przychodnia)で受診した場合のみ、必要に応じて処方箋をもらうことができ、その際もその処方箋をもって薬局に行くことになります。

薬の説明書にある用語

ポーランドで売っている薬の説明書は、ポーランド語のみとなっているものと英語を含めたヨーロッパの複数の言語で書いてあるものの2種類があります。ここでは、説明書に主に書かれているポーランド語での用語を参考までに載せておきます。用法や用量を間違えると思わぬ副作用を引き起こす恐れがあるので、自信がない場合はポーランド語が理解できる知人に翻訳を頼みましょう。

薬の成分 | skład
効能・効果 | działanie
いつ使用するか | wskazania
使用してはいけない場合 | przeciwwskazania
使用上の注意 | ostrzeżenia i środki ostrożności
使用方法 | sposób użycia
用法・用量 | dawkowanie
内容量 | opakowanie
保存方法 | przechowywanie
副作用 | możliwe skutki uboczne, efekt uboczny
経口 | doustnie
錠剤 | tabletki
飲み薬 | lekarstwo do wypicia
大人 | dorośli
大人は2錠ずつ、1日に最高4回まで服用 | Dorośli 2 tabletki, maksymalnie 4 razy dziennie.
4時間おき | co 4 godziny
3日以上の服用禁止 | Nie należy stosować dłużej niż 3 dni.
1日合計120-240ミリグラムになるよう、2、3回に分けて服用 | 120-240 mg na dobę w 2-3 dawkach.

注意点

どの薬にも体質などによって個人差はあるものの、考えられる副作用などを確認したうえで服用してください。子どもに飲ませる際は、必ず、子ども用(ドラ ジェチ|dla dzieci)という表記があるものを服用させるようにしましょう。なお、ここで紹介する薬は大人に向けたものです。
また、海外の薬そのものに不安を感じる人、特定の薬物にアレルギーがある人や妊娠または妊娠していると思われる人は薬の使用を絶対避け、医者に直接診てもらうようにしてください。
ヨーロッパ人向けの薬は日本人からすると効能が強めだということもあるので、最初は指定された用量より少ない量で様子見をするのもいいと思います。

2.ポーランドの家庭薬

総合かぜ薬

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・総合かぜ薬
総合かぜ薬は、一般的な風邪の症状である、くしゃみ、鼻づまり、鼻水、喉の痛み、咳、発熱などに効きます。成分は、主にイブプロフェン(ibuprofen)やパラセタモール(paracetamol)が配合されたものが効果的とされており、コールドレックス(coldrex)またはグリペックス(gripex)という薬が定番です。これらは大きく分けて、錠剤タイプ(tabletki)とお湯に溶かして飲むタイプ(saszetki)がありますが、好みの方を選んでください。
風邪を根本的に治す薬はないと言われるほどなので、基本的にこれらの風邪薬は症状を一時的に緩和してくれるものだという認識で服用し、安静を心がけるようにしましょう。また、風邪の予防として、手洗いうがいは日本同様、ビタミンCやルティノスコルビン(rutinoscorbin)というビタミンCとルチンという成分が配合されたサプリメントを服用するのも効果的とされています。

鼻風邪、鼻づまり

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・鼻風邪、鼻づまり
一言に風邪といっても様々な症状がありますが、寝込むほどの風邪ではない場合、一時的な対処法もよく使われます。鼻づまり、鼻水などの鼻風邪であれば、オトリビン(otrivin)またはクセロルヒン(xylorhrin)がよいでしょう。重度の鼻づまりには、ナシビン(nasivin)というものも非常に効果があるとされています。これらは、点鼻薬と呼ばれる小さなスプレータイプになっており、鼻腔内のアレルギー症状を抑え、鼻の通りを良くします。しかし、過度の使いすぎは逆に鼻づまりを引き起こすと言われているので、過度の使用や長期使用は避けましょう。

のど薬

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・のど薬
キャンデータイプで、のどの痛みを和らげるものとして、ストレプシルス(strepsils)やセプトレテ(septolete)、または日本でもお馴染みのヴィックス(vicks)がおすすめです。ストレプシルスは少し大きめでオレンジのような味、セプトレテはハッカのような味、ヴィックスはミント味となっています。ポーランドで販売されているヴィックスは、日本のようにレモンやストロベリー、チェリーなど多くの味はありません。
また、これらは日本でいう菓子コーナーに並んでいるのど飴とは違うので、用量をきちんと守って服用するようにしてください。

解熱鎮痛薬

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・解熱鎮痛薬
やはり定番は、日本でも家庭に常備されていることの多いアスピリン。熱を下げたり、頭痛や歯痛などの痛み止めとして高い効果があります。薬局だけではなくスーパーでもよく見かける非常に万能な薬ですが、15歳以下の子どもに飲ませると重大な副作用を起こす恐れがあるので、子どもには少量でも絶対に飲ませないように注意しましょう。アスピリン(aspirin)のほか、イブプロフェン配合のイブプロム(ibuprom)やパラセタモール配合のアパプ(apap)なども良いとされています。

胃腸薬

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・胃腸薬
胃腸薬ではパパベリン系のノスパ(no-spa)が代表的です。内臓の消化器官の緊張による腹痛を緩和させる働きがあり、腹部の全般的な痛みに効くとされます。生理痛にも効果的なので、特に女性は常備しておくと安心かもしれせん。眠気や倦怠感などの副作用が強く現れるという人もいるようですが、非常によく効くと高評価を得ています。ノスパは他の胃腸薬と比べても作用が強いとされているので、最初は40mgのものを選ぶようにし、それでも効かないようであれば80mgを試してください。

うがい薬

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・うがい薬
うがい薬は、感染症の予防または口内洗浄に使うタイプと既に喉の痛みを伴っているときに使うタイプの2種類に分けられます。前者で有名なうがい薬は、日本でもよく見かけるリステリン(listerine)。のどが痛くなりそうな手前でも、リステリンでうがいをして口内を清潔に保つことは効果的とされます。後者では、グリムバックス(glimbax)というものが定番。喉の痛みに即効性があるとされ、また味の方も馴染みやいことからこちらを好む人が多いです。

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3.ポーランドの医療システム

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・ポーランドの医療システム
まず覚えておきたいのは、医療機関にかかる場合、プライベートと公的医療システムNFZの2つに分かれること。これら2つは治療を行う機関という面ではいっしょですが、そのシステムは両者で異なり、多くのポーランド人は症状や緊急性によって使い分けています。
2つの共通点は、どちらも最初はプシェホドニャと呼ばれるクリニックに行き、そこで高度な治療や入院が必要と判断された場合、ほかの専門的なクリニックや病院で治療することになります。つまりいきなり病院へ行くという人は、まずいません。また、このプシェホドニャもそれぞれプライベートと公的医療で分けられていることがありますが、同じ場所を使っていることも珍しくなく、ほとんどの医者はプライベートと公的医療を掛け持ちしているようです。

プライベート診療

いわゆる私立病院をプライベート診療といいます。プライベート診療は保険適用外であるため、公的医療システムと比べて医療費が高くなるという短所を除いては、基本的に当日予約でも受診可能であり、英語が通じるという安心感から多くの在留日本人や外国人がこちらにお世話になっています。
また、医療技術も負担する医療費の割に先進国と劣らないほど優れており、近隣の西欧諸国から遠くはイギリスまで、ポーランドのプライベート診療を受けるためにポーランドに滞在する外国人も珍しくありません。そして、ポーランド人でも緊急時や妊娠外来、子どもが訴える急な病気などの場合は、圧倒的にプライベート診療を受ける人が多いようです。

気になる医療費ですが、これはもちろん症状や掛かる病院によって異なります。例えば筆者が眼科でプライベートクリニックに行った際、約10分で済むかんたんな検査に100ズロチ(約3,200円)を支払い、処方された目薬は別途会計でした。最終的に幾ら支払うかは検査内容によりますが、初診時は300ズロチ(約10,000円)と多めに持っていくことをおすすめします。
また、長期の治療が必要となった場合、それだけ医療費を払うことになりますが、どこまで高度な治療を受けられるかは患者がその治療に対してどれだけ支払えるかに比例します。しかし、プライベートのための保険もあるので必ずしも患者が全額負担しないといけないというわけではありません。

公的医療システムNFZ

緊急性を問題としない場合は、公的医療システムのNFZを利用するのがポーランド人の間では一般的です。この医療を受けるには、PESELという個人を識別するための番号が必要となります。したがって、この番号を持たない短期滞在者はNFZを利用することができません。NFZは被保険者がそれに対する保険料金を毎月支払うことで成り立っていますが、ほとんどの場合は勤務先が代わりに負担することとなっており、雇用されていない人は各自負担または雇用されている配偶者がいる場合、扶養として配偶者の会社から支払われることなります。

NFZでの受診先は公立病院となり、基本的に無料サービスというのが最大の魅力ですが、プライベート診療と比べると短所が目立ちます。
まず治療を受けるためには、予め最寄りのプシェホドニャで自分の家庭医を登録し、他のクリニックや病院に行く前は必ずそのプシェホドニャを介することになります。プシェホドニャは総合診療所ではないので、症状によっては他のプシェホドニャを紹介されることが多く、実際に受診できるのは約1~3ヶ月後。そして次の受診も同じくらい待たないといけないのです。一週間や数週間単位などでスムーズに予約出来ることは、極めて稀でしょう。
やっと予約をした受診日が来ても、待ち時間が30分〜1時間を超えることもしばしば。そこまで待たないといけない理由としては、無料なので受診者がそもそも多いことが挙げられますが、最大の原因は、各病院で毎年患者の受け入れ人数が決まっていること。そのため、年度末に近づくと予約そのものが出来ないことがあります。

また公的医療で、外国人にとって問題となるのは言語。言語が全く通じ合わない同士の診療では、互いに誤解を生みかねないので、診断内容が理解できない場合は緊急性がなくても、なるべくプライベート診療を選択するようにしてください。
ただし誤解して欲しくないのは、プライベート診療との医療技術の差。次の受診日を待っている間に症状が進行してしまうケースはあるかもしれませんが、公的医療だからといって治療の質が劣ることはありません。公的医療専門のプシェホドニャは予算的な問題なのか、一つの施設に十分な検査機器が導入されていないことも多々ありますが、ある検査機器が必要だと判断された場合はその検査機器がある他の病院で速やかに検査することになります。

4.救急車を呼ぶ場合

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・救急車を呼ぶ場合
こちらも上記システム同様、私立病院か公立病院のどちらかを選ぶことはできますが、救急車を呼ぶほどの緊急時にどちらかを気にする人はまずいません。
救急車を呼ぶ専用ダイヤルは999、緊急ダイヤルの112は電話を受け取った人が警察、消防車または救急車のどの番号につなぐか的確に判断してくれます。救急車を呼びたい場合、この2つのどちらかの番号にかけるようにし、万が一の場合に備えて携帯電話などに登録しておきましょう。
特に、112はEU連合加盟国すべて共通の緊急ダイヤルとなっており、コールセンターのスタッフにもよりますが、英語やその他ヨーロッパの主要言語で受け応えが可能となっています。
注意点として、ポーランドの救急車の出動は他の欧米諸国より遅いと言われており、特に都心部に住んでいない人が救急車を呼ぶときは、場合や状況によっては誰かに助けを呼んで病院へ連れて行ってもらった方が早いかもしれません。

5.もしもの時の医療用語

診療科

内科 | interna(インテルナ)
外科 | chirurgia(ヒルルギャ)
眼科 | okulista(オクリスタ)
歯科 | stomatologia(ストマトロギア), dentysta(デンティスタ)
皮膚科 | dermatologia(デルマトロギア)
耳鼻科 | otolaryngologia(オトラレヌゴロギア)
整形外科 | ortopedia(オルトペディア)
小児科 | pediatria(ペディアトリア)
婦人科 | ginekologia(ギネコロギア)

症状

頭痛 | ból głowy(ブル グオヴィ)
胸痛 | ból piersi(ブル ピェルシ)
胃痛 | ból żołądka(ブル ジョウォンドカ)
腹痛 | ból brzucha(ブル ブジュハ)
食欲不振 | anoreksja(アノレクシヤ)
寒気 | zimno(ジムノ)
めまい | zawroty głowy(ザヴロテ グオヴィ)
下痢 | biegunka(ビェグンカ)
発熱 | gorączka(ゴロンチュカ)
吐き気 | mdłosci(ムドウォシチ)
嘔吐 | wymiociny (ヴェミオチネ)
傷 | rana(ラナ)
強い痛み | silny ból(シルネ ブル)
だるさ | błoga senność(ブウォガ セヌノシチ)
花粉症 | katar sienny(カタル シェヌネ)
風邪 | przeziębienie (プシェジェンビェニェ)
アレルギー | alergia(アレルギア)

その他の医療用語

病院 | szpital(シュピタル)
クリニック | przychodnia(プシェホドニャ), klinika(クリニカ)
薬局 | apteka(アプテカ)
医者 | lekarz(レカシュ), doktor(ドクトル)
救急車 | karetka pogotowia(カレトカ ポゴトヴィア)
注射 | zastrzyk(ザスチュシク)
消毒 | sterylizacja(ステレリザツィア)
点滴 | kroplówka(クロプルフカ)
検査 | badanie(バダニェ)
症状 | symptom(セムプトム)
手術 | operacja(オペラツィア)
入院 | hospitalizacja(ホスピタリザツィア)

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選のまとめ

【完全保存版】知っておけば安心!ポーランドの薬と医療システムの知識5選・まとめ
薬や病院に頼ることは出来れば避けたいものですが、やはり生活する上ではどうしても避けては通れないもの。旅行中も何が起こるか分かりません。筆者が日本に住んでいたときは、病院に通うということは滅多になく、風邪を引いたとしても季節の変わり目に軽い鼻風邪を患う程度でした。しかし、ポーランドに来てからは最初の冬で4回も高熱で寝込み、他にも何かと体調不良を感じることが多く、病院に行く機会が増えました。環境変化が一番大きな原因だと思いますが、海外に住む日本人は、海外生活数年を経てやっと体がその国の気温や風土に慣れてくるものです。
ケガをしたり、病気になってから色々と調べるのでは遅いこともあるので、事前に必要な知識を身につけておき、海外でも健康的に暮らせるようにしましょう。
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【担当:カスプシュイック綾香】

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