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不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選
長靴型のイタリア半島の「かかと」に当たる地域プーリア州Publia。州都はバーリ。バーリには米軍基地もあり、その昔、湾岸戦争の時はここから戦闘機が発着していました。東はアドリア海を隔ててギリシャ・バルカン半島と向き合っていて南はターラント湾に面しています。さて、このプーリア州には、とても不思議な住居が立ち並ぶ世界遺産がふたつあります。
ひとつは、白いトンガリ帽子のお家「アルベロベッロ」、もうひとつは洞窟住居「マテーラ」。このふたつの不思議な世界遺産についてご案内してまいりたいと思います。

1.アルベロベッロ|Alberobello

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・アルベロベッロ
アイア・ピッコラ地区とモンティ地区が世界遺産登録地区となっており、両地域にあわせて1500軒あまりの「トゥルッリ」と呼ばれる円錐形の家が建ち並んでいます。
白壁に円錐形の石積み屋根を載せた「トゥルッロ」が多数集まった景観。「トゥルッロ」が複数形になり「トゥルッリ」と呼びます。トゥルッリは、この地方では、たくさん見られたようですが、現存するのはここアルベロベッロのみ。青い空と明るい太陽がいっぱいの南イタリアの気候とマッチする景観です。
どこを歩いても写真をとりたくなってしまう、まさに「おとぎの国」。年間100万人もの観光客が世界中から訪れます。一度は絶対に行ってみたいところですね。

トゥルッリ

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・トゥルッリ
どうしてこのような住居がつくられたのかはとても不思議なのですが、この地域は先史時代から石灰岩を住居に用いる方法が発達してきました。最初に、ソロスと呼ばれるドーム型の墳墓を作ったところから、現在のような住居群に発達したのかもしれません。この地方は石灰岩質なので、農民たちにとって入手しやすい材料で安く仕上げることの出来る住居にしたのでしょう。
また、17世紀にこの地方の領主がナポリ王に支払う住民税をなんとか減らそうと画策し、すぐ取り壊せる石以外で住居を造ることを禁じたため、このようなスタイルの住居になったのだそう。おとぎの国から抜け出たような可愛らしい町の由来も実は税金対策だったのですね。

トゥルッリは、簡素な造りながらも色々と工夫が施されていて、白い漆喰は外気を遮断して涼しさを保ちつつ室内に明るさを取り入れる役割を果たし、外壁と内壁の間に詰められた土砂は、雨水を濾過しながら地下水槽へ溜まるシステム。よくみると屋根と建物の間に、雨どいのようなものが取り付けられております。
内部は、廊下はなく、すぐ部屋になっていて、大型トゥルッリは二階建てもあり階段で二階まで上がれます。さらに屋上がついているものもあり、可愛いアルベロベッロの町並みが見渡せます。そして、屋根に白く記されている様々な記号は、ギリシャ神話からとられている記号や模様。星や月や太陽、魚その他それぞれが意味をもっているそうです。

モンティ地区

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・モンティ地区
住居や店舗、教会、飲食店、ホテルまでがトゥルッリ!店舗によっては、内部見学をさせてくれるところもあるので、見学するのもとても面白いと思います。
見学させてもらった際には、何かお土産品を買ってあげてくださいね。
お土産屋さんがずらりと並んでいるメインストリートは、みていてとても楽しいのでカメラ片手にのんびりと散策を楽しめます。いちばん多く観光客の集まる地域。

耳たぶのパスタ|Orecchiette

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・耳たぶのパスタ
オレッキエッテは、耳たぶの形をしたパスタで、プーリア州を代表とするパスタ。その名の通り、小さな耳たぶのような形をしており、硬質小麦の粉、塩、水しか使わない伝統的な製法。最も一般的な調理法は、長時間柔らかく茹でたブロッコリーを木べらなどで潰し、オレッキエッテのくぼみに絡めたもの。オレッキエッテの形と厚みの口当たりから最もブロッコリーと相性がいいとされています。ぜひ地元で本場の名物パスタお召し上がりください。乾麺も売られていますので、お土産にいかがでしょうか。

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2.マテーラ|Matera

サッシと呼ばれる洞窟住居で有名なマテーラは、もともと先史時代から柔らかい石灰岩をくり抜いてつくった洞窟に人々が定住してきたことからはじまった居住地。その後、イスラム、オスマントルコなどから逃れてきた人々や、戦争から迫害されてきた人々、ジプシーなどが流れてきて、貧しい南イタリアを象徴する場所でした。しかし20世紀になると、イタリア政府は、貧困な人々を保護するために近代的な市営住宅へ移り住まわせてマテッラの居住権を与えるという貧民地区救済と同時に歴史地区の保護にのりだしました。こうして現在、マテッラのサッシと呼ばれる洞窟住居は、世界遺産に登録されています。

サッシ|Sassi di Matera

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・サッシ
谷の岩場の斜面をくり抜き、掘ってつくった洞窟住居サッシが広範囲にわたって完全な形で現存している貴重な遺跡。カッパドキアにも似たこの町は、遠くから全体をみると、崖の上の斜面にセリ尽くすように洞窟住居がびっしりと並んでいて圧巻。夜のマテーラも夜景が綺麗です。星空と静寂の中に映し出されるマテーラの夜景は、異国情緒あふれる素敵なひととき。

ドゥオーモ|Doumo

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・ドゥオーモ
司教座をもつマテッラの大聖堂は、チヴィタと呼ばれる部分にあり、1270年に造られた非常に古い教会。内部のフレスコ画「浅黒い聖母」を称えて、サンタ・マリア・デッラ・ブルーナ教会とも呼ばれてきました。
日曜日の午前中には、ミサが行われます。教会は神聖なる場所なので、真剣にお祈りをしている人がいたら写真撮影は控えるようになさってくださいね。

バラ窓

人間ひとりひとりの人生の浮き沈みを表す幸運の車輪を象徴しています。
ファサードと呼ばれる正面入り口上部。

ラテン十字形

教会正面入口からまっすぐ祭壇まで伸びている廊下と祭壇前から横に伸びる廊下の長さがクロス十字架の形と同じ建築の形。

墓地と糸杉

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選・墓地と糸杉
イタリアは、99%以上がカトリックと言われており、特に南イタリアでは敬虔なカトリック信者が多く、ほとんどが土葬となっています。北イタリアでは、衛生上の問題から火葬を奨励している地域もありますが、イタリア全体では大半が土葬です。
なぜ土葬をするかといえば、旧約聖書の中では、神様がはじめてつくった人間アダムは土からつくりました。そしてアダムのあばら骨を1本とってイブという2番目の女性をつくりました。そういうわけで、この世に最初にあらわれた人間は、土からつくったので、亡くなったら土へ返そうという意味合いから、土葬をするのです。
安い方のお墓は、アパートメント式になっていて、棺を縦に奥へ押し込む形となっています。乾燥した気候のイタリアでは理にかなった方法といえます。
また墓石には、生まれた西暦と亡くなった西暦のふたつの年号を刻みますので、差し引くとその方が何歳で亡くなったのかがわかります。大きな墓地の入口では、お花が売られており、それを買ってそなえます。

さて、教会や墓地のまわりには糸杉が必ず植えられております。糸杉は、天高くまっすぐ天国に向かってのびていくことから、お墓の木と呼ばれています。キリストが磔にされた十字架はこの糸杉だと伝えられておりますが、腐敗しにくいために建築材料としても多く利用されています。また、画家のヴァン・ゴッホが好んで描いたのもこの糸杉でした。ヨーロッパの人々には親しみのある木です。
南イタリアにもたくさんみられるお墓。こんなところに着目してみるのもまた興味深いと思います。

マテーラの町は、映画の撮影にもよく使われているそうで、古代の綺麗な町並みも残されており、洞窟を利用したホテルやレストランもあります。
町は、かなり急な坂道が多いのですが、教会や博物館、美術館、お城などの見どころがたくさんあり1日では回り切れないほど。特に岩窟教会群は、世界に類をみないものと言えるでしょう。ぜひ来訪したい町です。

不思議な住居の世界遺産!南イタリア・プーリア州の見所2選のまとめ

おとぎの国の中から抜け出してきたような、可愛らしいトンガリ屋根のアルベロベッロと洞窟住居マテーラのふたつの異なった雰囲気の南イタリアの世界遺産の町をご紹介いたしました。名物の耳たぶのパスタもぜひ召し上がってみてくださいね。次の旅行は、ぜひ長靴の「かかと」へ!
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【担当:nekotabiko】

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