シギリヤロック（Sigiriya Rock）はスリランカの中部のジャングルにある、巨大な岩山です。標高が約200ｍ、南北に約180ｍ、東西には約100ｍあり、ほぼ垂直にそそり立っています。シギリヤロックには5世紀後半、シンハラ王朝のカッサバ1世の宮殿がありました。その裏には悲しい親子の物語がありました。

王の長男でありながら自分を産んだ母が平民の出だったため、跡継ぎには腹違いの弟が選ばれると恐れたカッサバは、父王を幽閉し弟を追放します。王となったカッサバは、弟の報復を恐れ、シギリヤロックを要塞化して頂上に城を建てます。しかし11年後、弟王子が攻めて来て、カッサバは自ら命を絶ってしまうのです。
カッサバが亡くなった後、宮殿は朽ち果てジャングルの中で忘れ去られていましたが、1875年にイギリス人によって発見されます。1982年には、古都シギリヤの遺跡として世界文化遺産にも指定されました。

シギリヤロックの頂上へは階段をひたすら登って行くのですが、途中「シギリヤレディ」と呼ばれる美しい壁画を見ることができます。当初500体の壁画があったと言われ、現在見ることができるのは18体あまりです。しかし、遥か昔に描かれたとは思えない鮮やかな色が感動的です。
シギリヤロックの頂上は今は何もありません。権力を手にしたカッサバ王が、遠くまで見渡せるこの場所で、弟がいつやってくるかと恐れていた思うと、せつなくなってきます。
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【担当：sari】

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