誰もが1日1回は遭遇するであろう、退屈な信号の待ち時間。長ければ数分もの間、何をするでもなくただ待たなくてはならないことに苦痛を感じる人は多く、信号無視が後を絶たないひとつの要因にもなっています。
そんな退屈な時間を素晴らしい経験に変えることを目指し、2012年に当時ドイツHAWK大学の学生だった若者たちが「Street Pong」というコンセプトを発表。現在は「Acti Wait」という名称にリブランディングされ、ドイツ北部のヒルデスハイムと西部のオーバーハウゼンで試験的に導入されています。

そのアイデアとは、ワイヤレスに繋がったタッチスクリーンを信号機の柱に取り付け、信号待ちの間、向かいで待つ知らない誰かとホッケーゲームで遊べるようにするというユニークなもの。時間と共に赤いゲージが下がっていく画面背景は待ち時間を示しており、信号が青になるとその時点で試合終了となるため、熱中しすぎて渡り損ねる心配はありません。動画のように対戦相手に一言声かければ、コミュニケーションツールのひとつにもなりますし、車の代替として徒歩や自転車での移動を増やしたいというエコロジーな狙いもあるようです。

テストデータによると、1日当たりの信号無視者の数がActi Wait無しだと60人、Acti Wait有りだと11人と、8割以上も減少。「押してダメなら引いてみろ」の要領で、規則や規制の枠の中に押し込めるのではなく、待ちたくなる環境を作ったからこその結果ですね。
これだけ効果があったのなら、数年後には日本でも目にする機会があるかも？
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【担当：TAKU】

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