ポーランドで賃貸物件を借りるなら、絶対に知っておきたい知識4選
ポーランドは数あるヨーロッパの中で唯一右肩上がりの経済成長を誇っており、20年以上にも渡って景気後退が一度もありません。今後最も経済発展が期待されている国として、ポーランドでビジネスを始める外資系企業も年々増えてきました。また2015年に結ばれた日本とポーランドの間におけるワーキングホリデー協定も伴って、ポーランドに住む日本人はますます増えると予想されます。しかし、外国人向けの賃貸情報は圧倒的に少ないのが現状。そこで今回はポーランドに住むための基本的な賃貸物件に関する情報をまとめました。まずは事前にどのような物件があるか把握しておきましょう。
1.賃貸物件の種類
賃貸の場合、下記で紹介するブロックまたはカミニツァのどちらかに住むことになるでしょう。一般的にポーランドでは、勤務先が変わったり家族が増えるなど一時的な住まいを前提にしている人達が賃貸物件に住んでいます。それとは反対に長期間(大抵10年以上)住むことが予め分かっている場合は購入してしまうのが常識。しかし外国人が不動産を購入する場合、内務行政省の許可を得る必要があり手続きが煩雑なので、賃貸物件を借りるケースが多いでしょう。
ブロック/blok
コンクリートで造られた集合住宅。多くは1980年から1990年代の共産主義時代に建設されたもので、殆どは4階建て以上の縦に長い形をしています。感覚的には日本のマンションですが、構造はまさにブロックと呼ぶのに相応しい程のシンプルさ。また常駐の管理人は通常いませんが、ブロックの管轄ごとに管理事務所があります。
カミニツァ/kamienica
レンガまたは石で造られた古い建物。ヨーロッパでは改築や改修を重ねた築100年を超える建物に住んだり、オフィスを構えたりすることは普通のことなので築年数を気にしすぎる必要はあまりありません。ちなみにポーランドでは一番古いカミニツァで15世紀に建てられたものがあります。カミニツァは通常2~4階建てとなっており、構造は建物全体が住居となっている場合と1階部分がお店やオフィスになっていて2階からが住居となっている場合があります。
2.賃貸物件を見つける方法
賃貸を探す場合に壁となるのは、やはり言語。基本的にポーランド人の英語レベルは日本人のそれと似ており、契約事の複雑な英語となると通じません。また賃貸の広告は首都のワルシャワでもポーランド語のみとなっている場合が多く、自分自身で賃貸を探さないといけない場合はポーランド語が流暢ではない限り、契約時に通訳できる同伴者が必要となるでしょう。
インターネットで調べる
言語が通じない場合、ネット上でお気に入りの物件を見つけても実際に契約までいくことは非常に難しいでしょう。しかし、だいたいどのような物件があるのかを把握するには有効です。そこでネットで賃貸を探す際、最も人気があるドム グラトカという不動産・住宅情報サイトをぜひ活用してみてください。まずLokalizacjaとある欄に探したい地域や市の名前をポーランド語表記で入れます。そしてプルダウンをmieszkania(賃貸物件という意味)、do wynajęcia(貸りる)に合わせて検索ボタンを押すだけ。すると、探しているエリアでの賃貸情報が一覧で出てきます。
不動産業者に行く
やはりその道のプロに探してもらった方が時間の短縮になります。またネットで調べた場合、手続きするのは全て当事者同士となってしまうことが多いので、相手が外国人となるとなると警戒されてしまい、不動産業者経由にして欲しいと逆に頼まれることあるでしょう。また、不動産業者を利用するにあたっての手数料は家賃一ヶ月の半分からとなっています。注意点として手数料を払う前に必ず、手数料を払うことによってどこまでサポートをしてくれるのかを明確にしておきましょう。というのも、後から追加手数料を請求されることがある為です。
直接、住人に尋ねる
実はこの方法で賃貸物件を見つける人も多いです。既にポーランドに知人がいる場合、住んでいる場所に空きがないか実際に尋ねてみましょう。また、ブロックなどに空いている部屋がある場合はその窓に入居者募集といったような紙が貼ってあることもありますし、カーテンがない等明らかに空き家である場合は思い切って同じ建物に住んでいる人たちに聞いてみるのも良いです。ちなみに私の場合は賃貸ではなく購入でしたが、手数料を節約する為に不動産業者を介さず、直接住人に尋ねて物件を手に入れました。また騒音がないかどうか、建物自体手入れがちゃんとされている物件か、ペットを飼っている住人がいるか等の周辺状況も既に入居している住人に確認しておきたいところです。
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3.家賃とその他費用
家賃について
家賃はもちろんワルシャワ、クラクフ、グダニスク、ヴロツワフ、ポズナンと都心部になる程高くなる傾向があり、どれくらいの広さの物件を借りるのかで大きく左右します。例えば小さな街では、2部屋800ズオテ~1500ズオテ(約2万6千円~約5万円)で借りられるところでも都心部になると1500ズオテ~2000ズオテ(約5万円~7万円)程になるでしょう。また広さに関して言うと、シングル用でも殆どの物件は30平米~40平米あります。家賃の支払いに関しては、ポーランドの法律によると翌月の10日前までに必ず払わなければいけないと定められています。通常は銀行口座から家賃を振り込むのが一般的なので、オーナーから要求されたとしても現金で払うことはお勧めしません。
水道光熱費の平均額
広さと使用量によるのは言うまでもないことですが、一人暮らしの場合の平均額は500ズロチとなっており、家族となると1000ズロチと言われています。家賃と比べると高い印象ですね。また多くの賃貸では、水道光熱費などはオーナーが先に払い、その額を後から入居者が払うことになっています。 またその他に管理費が必要なこともあります。
デポジット
家賃と水道光熱費の他に払うものとして、デポジットがあります。これは最初の一回きりの支払いとなります。デポジットは家賃の1ヶ月~3ヶ月分とされることが多く、なかには6ヶ月分とするオーナーもいますが、住む地区と家賃次第で幅があるでしょう。デポジットは敷金のようなもので、退去する時の部屋の状態次第では減額して返金となります。日本で物件を借りる際と同じように、入居前には事前に部屋の状態や気になる場所の写真を複数枚撮影し、退去時に不当な請求をされる可能性を防ぎましょう。また敷金についてのハッキリとした法律がない為、何に対して使われるか、いつ返金されるかなどを書類にするなどして条件付き保管にしましょう。
4.首都ワルシャワでオススメの地区
ワルシャワで賃貸物件を借りる際、外国人に最も人気で、かつ最も高価なロケーション、それは、モコトゥフ/Mokotów、ヴィラヌフ地区/Wilanów、コンスタヌチン地区/Konstancin、この3つの場所です。このエリアには各国大使館や政治関係の建物が多く、今では政府関係者などの駐在員が住む定番の場所。家賃は3部屋で5000ズロチから8000ズロチの間と言われており、いかにこのエリアの物価が高いかが分かります。5000ズロチというと、ポーランド人の一ヶ月分の平均給与よりも高いです。しかしこの家賃だと、日本人でも高いと思う方は多いでしょう。そこで次にお勧めなのが中央から南側にあるウルセヌフ/Ursynówという地区。ワルシャワには18の地区がありますが、ウルセヌフは3番目に人口の多い地区となっています。この場所は1970年代に専門家によってデザインされた若い世代向けの住宅街で、安心して住める、娯楽施設が充実している、緑が多いなどと評判。気になるこのエリアの家賃は、3部屋で3000ズロチから6000ズロチとなっており、日本の都市で賃貸を借りるのとあまり変わりません。それでも一般的なポーランド人にとっては手の届かない家賃なので、外資系企業に勤める人達や外国人が多く住んでいる地区です。
ポーランドで賃貸物件を借りるなら、絶対に知っておきたい知識4選のまとめ
日本でも労力を使う賃貸物件探し。それが外国となると言葉の問題もありますが、その国の賃貸事情というものをちゃんと把握しておかないと、後からとんでもない損害に繋がることがあります。私はポーランドに永住しているので賃貸ではなく物件を購入しましたが、購入が決まってからもローンのことや公証人を通しての手続きなど一筋縄ではいきませんでした。今回はポーランドでの一般的な賃貸情報を書きましたが、実際に住むとなると契約事なのでマニュアル通りにはいかず、戸惑うこともあるでしょう。しかし多くのポーランド人は外国人に対しても親切に接してくれるので、自分から警戒しすぎる必要はありません。外国で住むということは人生の中でも一つの大イベント。楽しむくらいの気持ちで取り組みたいですね。
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【担当:カスプシュイック綾香】
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